ジャーナル
2026.08.26

8月25日、船方農場では今年の稲刈りが始まりました。
朝の田んぼに響き始めたコンバインの音。
青々としていた稲が黄金色へと変わり、実った穂を揺らす景色の中を、ゆっくりと機械が進んでいきます。

この音を聞くと、今年も収穫の季節がやってきたことを実感します。
春、まだ水の張られた田んぼに植えた小さな苗は、太陽の光を浴び、雨や風を受けながら少しずつ成長してきました。
水の管理、溝切りや中干し、畦の草刈り、肥料、防除。
稲が育っている間も、田んぼではさまざまな仕事が続いています。
遠くから見ると静かに広がっている田んぼも、その中には、毎日の小さな判断と手入れの積み重ねがあります。
そして今日、ようやくその実りを受け取る時間が始まりました。

稲刈りは、ただ田んぼの稲を刈っていけばよいという仕事ではありません。
雨が降れば作業はできず、稲や土の乾き具合にも左右されます。刈り取った籾を受け入れる乾燥設備やタンクの状況も確認しながら、一日に刈る量を調整していきます。
田んぼの状態。
空模様。
機械の調子。
その日の湿度や気温。
さまざまな条件を見ながら、今刈るべきか、もう少し待つべきかを判断します。
人の都合だけでは進められないことも、農業という仕事の難しさであり、面白さなのかもしれません。

コンバインで刈り取った後も、収穫の仕事は続きます。
籾を乾燥させ、籾殻を取り除き、選別し、ようやく私たちが普段目にするお米の姿になります。田んぼに残る稲わらも、農場にとって大切な資源です。
船方農場では、田んぼと牛のいる風景が、それぞれ別のものとして存在しているわけではありません。
田んぼから生まれる稲わらや飼料は牛へ。
牛から生まれる堆肥は、再び田畑へ。
米を育てることと、牛を育てること。
それぞれの仕事がつながり、農場の中をゆっくりと循環しています。
収穫とは、ひとつの仕事の終わりではなく、次の季節へと命をつないでいく節目でもあります。

春には水面が光り、夏には青い稲が風に波打ち、秋が近づくと田んぼ全体が黄金色へと変わっていきます。
刈り取りが始まれば、土や草、籾の匂いが混じり合い、農場の空気も少しずつ秋へと変わります。
季節の変化を、景色だけでなく、音や匂い、肌に触れる風から感じること。
そうした日々の中にある情緒が、人を育ててくれるのだと思います。

効率や収量といった数字だけでは表すことのできないものが、農業の現場にはあります。
今年も無事に実りの季節を迎えられたことに感謝しながら、目の前の田んぼを一枚ずつ刈り進めていきます。
2026年の稲刈りは、まだ始まったばかりです。