ジャーナル
2026.03.27

船方農場でソフトクリームを食べたことがある方は、
こんなふうに感じたことがあるかもしれません。
「濃いのに、重くない」
「ミルクって、こんなに甘かったっけ?」
そんな声をいただくたびに、
私たちは少し照れながらも、うれしくなります。
この春、そのソフトクリームが
カップで持ち帰れるようになりました。

船方農場のソフトクリームは、
特別なことをしているわけではありません。
牛が草を食べ、
ミルクを出し、
そのミルクがソフトクリームになる。
そんな日々の積み重ねの中から生まれた味です。
今回の「生ミルクソフト」は、
その味をできるだけそのまま、
ご自宅でも楽しんでいただけるようにした商品です。

このソフトクリームの一番の特徴は、
“ミルクの味が主役”であること。
よくあるバニラ味ではなく、
口に入れた瞬間に広がるのは、
搾りたてのミルクの風味です。
「バニラではなく、ミルクの味を作りたかった」
開発を担当した船方農場のプロダクトデザイナーである三戸さんのこの言葉が、
そのままこの商品の味になっています。

船方農場のソフトクリームは、
生乳と自家製クリームで約85%を占めています。
水で薄めず、
香料に頼らず、
素材そのもので味をつくる。
「ほとんどが牛からいただいた素材でできている」
だからこそ、
そんな“少し不思議なバランス”が生まれます。

「ちょっと溶けやすいね」
そう言われることもあります。
でもそれは、
ミルクをそのまま使っている証でもあります。
余計なものを加えず、
自然な状態に近いからこそ、
口の中でゆっくりとほどけていく。
その時間ごと、
楽しんでいただけたら嬉しいです。

これまでこのソフトクリームは、
船方農場に来た人だけのものでした。
でも、
そんな声に応える形で、
今回のカップ商品が生まれました。
「来られない人にも、この味を届けたい」

この商品は、ただのアイスではありません。
牧場の空気や、
その場所で過ごした時間、
誰かと食べた記憶。
そんなものも一緒に、
届けられる商品だと思っています。
「またあれ、食べたいね」
そう言ってもらえる存在になれたら、
それが一番うれしいことです。

生ミルクソフトは、
4月1日よりファームショップで販売開始。
まずはぜひ、牧場で。
そしてそのあと、
ご自宅でもゆっくりと。

はじめてソフトクリームを食べた日のことを、
大人になっても覚えている人は多いと思います。
そのひとくちが、
いつかの記憶として残るように。
このソフトクリームも、
誰かにとってそんな存在になれたら嬉しいです。

祖父や父が向き合ってきた農業と、そこに込めた未来への熱量に惹かれ、工学部を中退。
酪農の専門大学を卒業後、船方農場へ。
現在は酪農と情報発信を担当。趣味はカメラ。
農業は、もっとも手ざわりのあるクリエイティブだと思っている。