JOURNAL

ジャーナル

船方農場の手しごと

発酵バターができるまでの7日間

こんにちは、船方農場です。
今回は私たちのポッドキャスト『FUNAKATA FARM RADIO』でお話しした内容から、
“発酵バター”づくりについて、ブログ記事として改めてご紹介したいと思います。

ただのバターじゃない。
1瓶に込められた、自然と手間と香りの話です。

「発酵バター」ってなに?

スーパーでよく見かけるのは「非発酵バター」。
日本ではほとんどがこれです。

でも、世界にはもうひとつのバターがあります。
それが 「発酵バター」

乳酸菌を加えて時間をかけて発酵させてからつくるこのバターは、
ミルクの甘み、酸味、そして奥行きのある香りが特徴です。

私たち船方農場がつくっているのは、この「発酵バター」。
しかも、1週間かけて丁寧に手作業で瓶に詰めています。

7日間のバターづくり

Day 1:しぼりたてのミルクから、クリームを取り出す

朝しぼったばかりのミルクを40℃に温め、
遠心分離機で「クリーム」と「脱脂乳」に分けます。
バターになるのは、この“クリーム”の部分。

Day 1:クリームを殺菌(80℃で15分)

すぐに殺菌し、32℃まで冷まします。
ここで「中温性の乳酸菌」を加えて、発酵がスタート。


Day 2〜4:低温でゆっくりと発酵

32℃で6時間、さらに12℃で72時間。
まる3日間かけて、ゆっくりじっくり発酵させていきます。

できあがるのは、香り高い「サワークリーム」。
表面はヨーグルトのようにふわっとしていて、
“ジアセチル”という独特の発酵香が立ちのぼります。


Day 5:チャーニング(撹拌)

発酵したクリームを専用の機械で激しく攪拌。
バターとバターミルクに分かれます。

バターを水でしっかり洗い、1日寝かせます。
水洗いによって余分な乳臭さを取り除き、
色もより鮮やかなクリームイエローに変わっていきます。


Day 6:ワーキング(練り)

バターの塊をしっかりと練ることで、
残った水分を抜き、組織をなめらかに整えます。
この作業も、手作業で行っています。


Day 7:塩を加え、瓶詰め

ようやくここで、バターに塩を加えます。
そして、香りを逃さないように、溶かさず“固いまま”手で瓶に充填。

一つひとつ、丁寧に詰めていく。
それが私たちのやり方です。


手間ひまが味になる

機械で大量生産するのではなく、
人の手で、牛乳の状態を見ながら、季節のリズムに合わせてつくる。

だからこそ、
「ミルクの味がするバター」
「香りが立つバター」
になるのだと思います。

おすすめの食べ方

一般的なバターは半年持ちますが、
船方農場の発酵バターは賞味期限30日

理由は、
「菌が生きているから、時間とともに風味が変わっていく」から。

買いたてのさっぱり感、
1ヶ月後のチーズのような熟成感。
ひと瓶で“味の旅”ができるのも、このバターの魅力です。

ひと瓶の中にあるのは、手しごとと、香りと、物語。

船方農場の発酵バターは、決して「特別な日」だけのものではありません。
毎日の食卓に、小さな感動を届けられたら。

そんな思いで、今日も一瓶ずつ、丁寧に仕込んでいます。


ファームショップ・新山口駅カフェで数量限定販売中です。
気になる方は、ぜひ一度お試しください。
食べた瞬間、きっとわかっていただけるはずです。
“これは、ただのバターじゃない”と。